もしも子猫を拾ってしまったら
はからずも、急に目の前に子猫が現れて、どうにか助けたいと思う瞬間。
アドレナリンが出まくってるうちに、小さなこの子のために出来る限りの準備を進められるといいですよね。
ほぼ未経験の状態から、ワンシーズン?に計7匹の子育てをした私が、子猫を拾ったときにまず最初にやっておきたいこと、揃えるものについて紹介します。
焦りに焦って、検索しまくった当時を思い出しつつ、またそんな日が来た時のために、使える情報を順番に並べてみました。
※なお、生後2日から1ヶ月半程度の乳飲み子を拾ってしまったときをイメージしています。
読み進めながら行動するもよし。診察前の待ち時間のお供に。保護した子猫に緊急性があると思ったら、ネットの中で答えを探さず、すぐ病院へ。
なお、保護後にかかる金額などについてはこちらの記事を参考にしてください。
>>>子猫育てふたたび 出費編
また現状の月齢や、成長段階の体重変化が気になったら、こちらもどうぞ。
>>>子猫の体重変化
漠然とした不安に襲われている方のお役にたちますように。子猫に新しい家族ができますように。子猫を拾ってくれた貴方にたくさんの幸せが降ってきますように。
1.箱を用意して温めます
どういう状態で拾ったかにもよりますが、子猫をいれる箱などを用意しましょう。
ケージがあればいいんですけど、生後1ヶ月程度の子猫なら段ボール箱で十分。
段ボール箱は管理に良き。
寒い時期であれば、ケージよりも暖かさをキープしやすいです。
猫が小さいうちは、箱に蓋をしなくても、飛び出ることもないし、様子を観察しやすく、汚れたら簡単に廃棄・交換できるのでオススメ。
子猫を入れる前に、中には古タオルなどを詰めます。
ペットシーツなどがあればタオルの下にあらかじめ引いておくといいでしょう。ない場合は厚めにタオルを敷いておきます。(古いタオルでよい理由は、早い段階で、そのタオルは捨てることになるため)
ノミ取りが完了したら、フリース毛布などのちょっと良いものを投入します。
一般に子猫に適した室温は、「30℃を目安に」と言われていますので、これを基準に、室温はエアコンと加湿器でコントロールしましょう。
とはいえ、寒い時期だと暖房使って25℃くらい、プラスして、ホットカーペットや湯たんぽ、電気敷毛布やあったかそうな毛布で調整かなぁと思います。
子猫を入れた箱の傍にはいつも、室温計を設置。
※ペットボトルに50度程度のお湯をいれて湯たんぽにする方法もありますが、思った以上にすぐ温度さがるのでお勧めしません。
※一時的な対処として使い捨てカイロを別のタオルで包んで一緒に入れます。(子猫が低温やけどしないように、かならず直接触れないようにする、子猫が暑く感じたら逃げられるようスペースを残すこと)
※一番のお勧めは、なんといっても市販の子猫用ホットカーペット!
商品名がちょっとわかりづらいよね。だから、検索でみつけにくいと思うんだけど、このペットヒーターに救われたと言っても過言ではない!
ママの体温設定とか、もっと大きい字で書いてほしいくらい。
特に1匹で拾ってしまった場合などお互いを温めあうこともできず、子猫の体力が落ちてしまう原因にもなりかねません。また、常に温度設定を確認していたらお世話する方も寝られません。ここはお金をかけておくべきところかなと私は思っています。
注意事項
ご自宅に先住猫がいる場合は、病院での診察・治療が終わるまで会わせたりしないように、保護した子猫用に別室を用意します。
空気感染する病気もありますが、基本的には接触感染するものがほとんどかと思いますので、先住猫さんを触る前には、手洗い・消毒などを必ず、行うようにします。(私は初期のころは着替えたりしてました)
保護した子猫に何かを食べさせたり飲ませたりするのは少し考えてから。
「家にある牛乳をとりあえず飲ませよう」というのは絶対に止めましょう。猫は乳糖を分解できない場合が多いので、牛乳でお腹を壊します。
月齢にあったものを用意してからにします。
汚れていても、お風呂に入れないで。基本的に、子猫を洗うことを私はお勧めしません。子猫の体を濡らしたり、洗うという行為は子猫の体力を奪うからです。
素人はリスクのあることはやらない、これに尽きると思ってます。子猫がケガ等をしていて衛生的にも・・・という場合には、病院の指示を仰いでください。
2.ノートを用意します
拾った時間を含め、起こることはすべてノートに記録に残すことをお勧めします。
トイレの回数、状態、食欲など。病院へ行ったら聞かれることも多いのと、ゆくゆく不安を解消してくれることになるので。
記録する情報としては、
・トイレやミルクの時間と内容 (例)5:00 オシッコ〇、ウンチ×
・ミルクを与える前の体重-ミルクを与えた後の体重=飲んだミルクの総量
・元気がない、吐いた、下痢したなどの状態変化
・病院で言われたこと等
飲ませた直後に、大量のオシッコされて、「まじかー。あんなに飲んだのに痩せてる…」とがっかりすることもありましたが、そんなもんです。
あまりにも飲まないと思ったら、前回の授乳から30分しか経ってないとか、オシッコさせてなかったとか。こちらも昼夜逆転して感覚がバカになってることもありますのでメモは大事です。
3.病院へ連れていきます
保護した時間にもよりますが、なるべく早く病院へ連れていくことをお勧めします。
ただ動物病院によっては、「生後まもない子猫にできることはない」と治療を受けられないことも。
本当にそういう状態の子猫もいるでしょうが、そもそもノウハウをもっていない病院であるからそんな風に答えていたり、野良猫であるがゆえにお金のかからない方法としてアドバイスされていることもあります。
ネットの情報や事前に電話連絡するなどして、子猫を見てもらえるような病院へ連れていくことをお勧めします。
私も、最初子猫を連れて行った病院では
・ノミはいない(目視&ノミ取り櫛によるチェック)
・便検査から、特に腸内環境が悪い(現状把握のみ)
・できることはないので、後は子猫の生命力次第
と言われたものの、衰弱していくのが諦めきれず飛び込んだ2つめの病院で、こちらが目視でノミを確認していたこともあり
・フロントラインスプレー
・脱水をおこしていたため、点滴
・便秘の子には、排便マッサージ
・猫風邪の目薬、カサブタ用消毒液など処方
・下痢止めの処方
など行ってもらえました。点滴には結構救われました。体力がないと、ミルクを吸うパワーもないので。
また、春生まれの子は少ないものの、秋生まれの子は、結構な量のノミがついています。
小さな子にとって、親とはぐれたうえにノミに吸血され続けるのは、かなり体力を奪います。
フロントラインスプレーであれば、生後2日から使えるとのことでした。
(フロントラインスプレーの詳細は公式ホームページを参照ください。)
病院では野良猫であることを伝えると「この子を飼いますか?」と聞かれます。最初からできるかぎりの治療を希望するなら、飼うつもりでいると言った上で診察を受ける方がいいかもしれません。
4.必要資材を購入・用意します
必要なもの
・子猫ミルク(粉)
・子猫用哺乳瓶 2~3個
・猫用ホットカーペット(温度管理が楽で便利)
・ペットシーツ(段ボール箱に敷いて使うと良かった)
・箱ティッシュ
・ゴミ袋
・ペットの掃除用洗剤
・段ボール箱
あったらいいもの
・1~1000グラムまで量れるはかり(体重計にします)
・スポイト(薬飲ませたり、ミルク飲まなかったときに使うかも)
・ミルクのお湯用水筒
・フリース素材のひざ掛けや毛布
・古タオル
・マグカップ(授乳中のミルクを湯煎しておくため)
・スプレー式の泡タイプ食器洗剤(哺乳瓶洗うとき用)
・付け替え用哺乳口 2~3個(穴がすぐ詰まったりするので替えは必要になる)
・使い捨てカイロ(病院行く時など電源が取れないとき用)
・お好みで消臭剤
作り置きができないこと、そもそもどのくらい作るべきか適量が不明なこと、冷めたら飲まないことなど理由をあげればキリがないですけど。
最初は、まぁ実質半分くらい捨てることになることは覚悟してくださいw
便利な液状のミルクも売っています。ただ表示の対象の月齢欄をみたら、液体のミルクは子猫の総合栄養食じゃなかったんですよね。近所のドラッグストアには置いてなかったです。そうなると、それだけで健やかに成長させることはできないので、ここは粉ミルクを買ってくださいね。
ミルクは、メーカーによって、若干味が異なるようで、一度子猫が気に入ると簡単に変更できません…。しかし、安いものは嗜好性が弱いのか人気がありませんし、胃腸に優しくない印象です。
程よく、続けられそうで、手に入りやすい価格帯のものを最初から選ぶのがいいと思います。うちは、この青缶にお世話になりました。
時々ゴールデンも購入しましたが、あっという間になくなるため、続けられませんでした。ご褒美?にしたという感じですかね。
因みに、この二つはメーカーが同じため、比較的子猫さんたちも変更の際にも、ご理解いただけた気がします。
※ゴールデンの上にはプレミアムもありますが、予算の関係上こちらは購入したことがありません。
また、ブリーダー用の大袋ミルクを差し入れでいただいたことがありましたが…今思えば、開封済みのそれは多分傷んでいたと思います。子猫が体調を崩した理由がわからず、本当に悩まされましたが、ミルクを変更してからドンドン復活したので。
ミルクは非常に痛みやすいようなので、ブリーダー用の大袋ミルクはガチのブリーダーさんだけが購入するべきかもしれません。
子猫の場合、具合が悪くなった原因ってなかなかわからない上に、判断が遅れると死に至ります。いろんな可能性を消去するためにも、大きすぎないミルク缶を頻繁に購入しましょ。
それから、哺乳瓶の吸い口を洗う時、最初子猫の口に入るものだから、環境にやさしい系洗剤を使ってたんですけど…これがね、ミルクの脂肪分をなかなか洗い落とせなくて。吸い口がつまる、つまる。そこで、スプレー式の泡タイプ食器洗剤を購入し、よくすすぐって方法で対応しました。
そのころ、世の中はコロナでしたので、ミルトンも手に入らなかったんで。
ちなみにトイレを設置するのは、生後3週間めくらいでいいかと。最初は100均にあるトレーみたいなのやタッパーみたいなのでも代用できますし、なんなら、段ボールにペットシーツひいて、猫砂っていうのでもOKですね。
5.覚悟を決めます
子猫を拾うというのは、ある日いきなり起こる予期せぬことかと思います。
どうぞ覚悟を決めて、託された命と向き合ってくれたら私としては嬉しいです。
正直、子猫が生後1ヶ月以下であった場合、フリーランスでない限り仕事を休むか、辞めないと世話は難しいです。2時間に一度は排泄させたり、ミルクを与えたりする必要があります。夜中も同様のペースが求められるのもお忘れなく。
急に、病院へ駆け込む日もないとはいえません。子猫の具合が悪くなると、メンタルもやられます。
相手は命ですので、その子たちの生き残る道を探してくれたら嬉しいです。
面倒を見れないことは悪いことではありません。
次の人にバトンを渡すこと、それも重要な役割です。
まとめ
私は計7匹の離乳前の子を育てましたが、7匹とも私が拾ったわけではなく、拾った方から託されました。今思えば、ミルクボランティア経験もなかったのに、よく引き受けたなと。
先住猫は2匹いたし、それまでの猫飼い経験値としては、15年以上あったけども。
幸いにして、1匹も欠けず5歳を超えることができましたが、これも私へ最初のバトンをつないでくれた方のおかげであったり、私を支えてくれた家族や、獣医さん、里親になってくれた方、休職できた職場環境のおかげだったり、偶然の産物、運が良かっただけと思います。
とっても、幸せな経験をさせていただいたこと、そしてそれが今も続いていることに感謝しかありません。
全てが万事オッケーだったわけではなく、死んでしまうのではないかと絶望したこともあったし、まつわる人間関係で疲弊したこともあったし、金銭的にやっちまった感もあるし、もっと良いやり方あったんじゃないかなとか反省も自己嫌悪もあるけども、そういうのも含めて、子猫が生きてる今を思えば、そのことに勝るものなしってことにしています。
当時、子猫育ての渦中にいるときに、知りたかったこと、データがほしかったこと、そういったことを引き続きいろいろ紹介していけたらいいなぁと思っています。
間違っていたり、もっと良い方法を知っていたり、ご意見がありましたらコメントで修正をお願いいたします。
出会ってしまったからには、なんとかしてやりたいって人のお役に立てるような情報を出せたらいいなって思ってます。